日本三大うどんって聞いたことはありますか? 香川の讃岐うどんと秋田の稲庭うどん、群馬の水沢うどんがそうとされています。ですが、讃岐と稲庭の二つは別格として残る一枠にはかなり異論があるそう。名古屋のきしめん、長崎の五島うどんなど、誰しも自分の地元のうどんを推すようです。世界三大料理がフレンチと中華とあと一つが何かという論争に通じるところがありますが、これはもう永遠に決まらないテーマなのかも。今回はそんな一枠を争う水沢うどんの話です。

伊香保温泉
草津と肩を並べる群馬県の二大温泉郷の一つ、伊香保温泉。365段の石段で有名な温泉街はメインストリートの石段沿いに土産物店や射的などの小さな店が様々にひしめき合っている、いかにも温泉街らしい昔ながらの情緒が楽しめます。
伊香保温泉
そんな温泉街から車で15分ほどの少し離れた場所に「日本三大うどん」の一つとされる、「水沢うどん」の店がひしめく一角があります。

水沢うどんは近くにある水沢観音で参拝客向けに出されたうどんが始まり。元々群馬は小麦の生産が盛んな土地柄。うどんが人気になるのも納得です。

店ごとに味もうどんの形状も異なり、定義としてはこの辺りで食べられるうどんの総称として「水沢うどん」があると捉えるべきでしょうか。

名店とされる店がいくつかある中で、一番の老舗が「清水屋」。創業400年という驚くべき長い歴史もさることながら、熱心に水沢うどんの素晴らしさをテーブルごとに回って説明してくれる17代目当主が非常に印象的。

 

水沢うどん

ザルに盛られたうどんはツヤツヤしていて、実に美味しそうな仕上がり。大・中・小と量が選べるだけで、うどんは1種類のみ。自家製のゴマだれでいただくのが、この「清水屋」のスタイルなようです。

当主曰く、まずはつゆをつけずにそのまま食べてみろとのこと。
その通りにしてみると、しっかりと塩味がついている。何もつけずに食べても美味しいといううどんの出来栄えへの絶対の自信を感じます。そして確かに美味い。

聞けば、すべての工程が手作業で何日もかけて作るという非常に手間がかかったうどん。ほとんどの水沢うどんの店が機械打ちのところを、今も頑なに伝統を守っています。ちなみに仕上げの工程は一子相伝の技。当主だけが知っているのだとか。ここまで聞いてはもう我慢なりません。実食です。

ゴマだれは甘みが強めでダシの効いたもの。塩味のきいたうどんとぴったり。適度なコシとモチモチ感、のどごしも良く、実に美味い! 大を頼まないことを激しく後悔するレベル!

単なる観光客向けの名物の域を超える確かに美味しいうどん。旅行の途中に寄ってみる価値は大いにあり。日本三大うどん、ここで決まりかも。